Looker StudioでGA4の特定のキーイベント(コンバージョン)のキーイベント率を計算する(全体のセッション数に対して)
GA4のデータをLooker Studioで分析する際、キーイベント率(コンバージョン率)が「思ってたんと違う」ことになりがちです。
今回は「全体のセッション数に対する、特定のキーイベントのキーイベント率」を算出する方法を解説します。
まず「思ってたんと違う」ケースを確認しましょう。
うまくいかないケース
ディメンション
- イベント名
指標
- セッション
- イベント数
- コンバージョン
- セッションのコンバージョン率
- 計算フィールドのCVR
- 計算フィールドで コンバージョン数/セッション を追加で計算
コンバージョンイベントごとのセッション数、コンバージョン、セッションのコンバージョン率などで表を作成すると下のようになります。
全体のセッションは3,089です。
「特定のコンバージョンイベント(今回はpurchase)のセッション全体に対するコンバージョン率」が表示されると思っていると……、
- セッションのコンバージョン率=100%
- 計算フィールドのCVR(コンバージョン数/セッション)=191.1%
「思ってたんと違う」結果になります。
「セッションのコンバージョン率」の100%はどうも違いますし、「計算フィールドのCVR」は、
151(コンバージョン)/ 79(セッション)*100=191.1%
になっていますが、今回、欲しかった結果は、
151(コンバージョン)/ 3,089(セッション)*100=4.88%
です。
さて、どうしたものか?
「セッションのコンバージョン率」は使えない
初めから用意されているGA4のディメンション「セッションのコンバージョン率」は、このケースの場合「コンバージョン(151)」を「purchaseイベントのコンバージョンが発生したセッション(79)」で割っているので100%を超えてしまうので使えません。
使うことは可能ですが「使えねぇ」です。
イベント名でフィルタしてもダメ
表をフィルタで「イベント名=purchase」で絞り込めばいけるかも?
残念!
「イベント名=purchase」で絞り込まれましたが、コンバージョン率の母数にしたい全体のセッション(3,089)は適用されません。
さて、どうしたものか?
統合データを使う
Looker Studioで「全体のセッション(数)」に対する「特定のコンバージョンイベントのコンバージョン(数)」のコンバージョン率を求めるには統合データを使うことで実現できます。
聞き慣れない言葉がでてくるかもしれませんが、設定自体は簡単です。
まずメニューの「リソース」から「統合の管理」を選択します。
新しく統合データを作成するので「統合を追加」をクリック。
ここからのは「テーブルのデータを結合する」という作業になります。
複数のテーブルのデータを結合して1つのテーブルにするJOINをするのですが、今回はデータの結合そのものの解説は省略します。
データの結合ができるとLooker Studioでできる表現が飛躍的に広がるので、ぜひ学習しましょう!
下のようにテーブルを2つ作成します。
左側のテーブル(Table 1)の設定
ディメンション
- 日付
指標
- セッション
右側のテーブル(Table 2)の設定
ディメンション
- 日付
指標
- コンバージョン
フィルタ
- イベント名 = purchase(CVRを算出したい特定のコンバージョンイベント名)
2つテーブルが用意できたら間にある「〜個の条件」をクリックします。
結合の設定
ここで左側のテーブル(Table 1)と右側のテーブル(Table 2)のデータを「結合条件」に沿って結合します。
結合演算子
- 左外部結合
結合条件
- 日付
設定したら「保存」します。
こんな感じに設定できたら「データソース名」にわかりやすい名称を付けて、「閉じる」をクリックしてレポートの編集画面に戻ります。
統合データを使って表を作る
いま作成した統合データを使って表を作ってみましょう。
表のデータソースにいま作成した統合データを選択するのを忘れないように!
指標
- セッション
- コンバージョン
- 計算フィールドのCVR(計算フィールドで追加します)
- SUM(コンバージョン) / SUM(セッション)
- データの種類 %
- 表示フォーマット Percent(2)
どうでしょう? 計算フィールドのCVRが欲しかった数値になりました。
151(コンバージョン)/ 3,089(セッション)*100=4.88%
計算フィールドでCVRを計算する際に単純に「コンバージョン / セッション」にしてしまうと正しく計算できませんので、必ず下のようにそれぞれSUM()してください。
この統合データが参照しているGA4のデータは常に更新されるので、一度作成してしまえば通常のレポートのようにページ内の数値は自動的に更新されていきます。
GA4のデータをLooker Studioで扱うのは比較的簡単ですが、ところどころ思ったような結果が得られないことがあるので、必ずGA4の管理画面で見る数値と比べながらデータが正しく反映されているかをチェックしながら進める必要があります。
以上、Looker StudioでGA4の全体のセッション(数)に対する特定のコンバージョンイベントのコンバージョン(数)のコンバージョン率を計算する方法の解説でした。