見ためが洗練されていて、使い勝手も(比較的)簡単なBIツール、Steep。
この記事ではSteepの利用開始から、あらかじめ用意されているグラフなどの操作をご紹介します。
Steepはブラウザ、またはMacOS、iOS、Androidのアプリで利用できます。
Steepとは?
Steepはその見ためのモダンさだけではなく、セマンティックレイヤーという仕組みで動いているのも特徴です。
レポサブをご覧のかたは「データエンジニア」よりも「データを可視化して示唆を得る」領域にいることが多いかと思います。
そんな「データ利用者」にって、このセマンティックレイヤーで構成されたSteepはとても触りやすいBIツールです。
セマンティックレイヤーとは?
ざっくりな説明をすると「セマンティックレイヤー」とはデータベースとデータを利用する人間のあいだを取り持ってくれるような存在/機能です。
データを利用する際、利用者はデータベースに格納されている元データの構造をある程度理解し、場合によってはSQLを記述してデータを利用できる状態に処理する必要があります。
しかし、この「セマンティックレイヤー」という存在はデータ利用者が(SQLなど記述せずに比較的)簡単にデータを利用できるようになります。
Steepではデータベースに格納されているデータをMetricsという概念で事前に定義しておきます。
このあらかじめ定義しておいたMetricsを使うことで、データ利用者はSQLクエリを書くことなく分析ができます。
例えば、BigQueryに格納された素の状態のGA4のイベントデータをSQLで処理して分析するか、GA4の管理画面で「参照元/メディア」ごとの「セッション数」を選択すれば数値が得られるかでは、手軽さが違いますよね(これはセマンティックレイヤーではありませんが、データ利用者側のハードルの低さの例として挙げています)。
このあたりの説明にはもっと長文が必要になるので、早速、Steepを触ってみましょう。
Steepを利用する:アカウントの作成
まずSteepのサイトから「Get started」をクリックします。
Google、Apple、MicrosoftのアカウントでSteepアカウントが作成できます。
今回はGoogleのアカウントでログインして進めます。
同意画面で「次へ」をクリック。
Workspace名(必須)とロゴ(任意)を設定して「Continue」をクリック。
※Workspace名は共有時に表示されるので所属などにしておいたほうが安全です。
まずはデモデータを触ってみましょう。
「Try demo data」をクリックします。
Home画面にデモデータに接続しているグラフが表示されました。
これで利用開始の準備完了です。実際にグラフの設定を変えたりしてみましょう。
Steepを使ってみよう
Home画面にあらかじめデモ用のデータに接続したグラフがいくつか表示されているので、これを操作してみましょう(説明しなくても直感的に操作できると思いますが、いちおう、紹介記事なので説明しますね)。
デモデータはアプリ(か何か)の登録、利用、売上などのデータが含まれているようです。
上で説明した「事前に定義する」Metricsが用意されているので、各項目をクリックしてくだけでグラフに反映されていきます。
一番上にある「Order Volume」をクリックしてみます。
Order volumeの時系列の折れ線グラフが表示されました。
時系列の縦棒グラフに変更してみました。
グラフの見ためは洗練されていますね。動作も速いです。
時系列のデータでは画面の下に期間のコントロールが用意されています。
あらかじめ週、月(日次)、四半期(月次)、半年(月次)、1年、2年、5年といったよく使いそうな期間はクリックで切り替えられます。
このあたりのUIも使いやすいですね。
右側に比較のコントロール(Compare)が用意されているので展開すると、よく使う項目がクリックするだけで適用できるようになっています。
- 前年
- 前月
- 移動平均
- 7日間
- 28日間
- 基準線
- 最小
- 最大
- 平均
前年同期と基準線(平均)を追加してみました。クリックするだけなので、操作はとても簡単です。
このデモデータには「国ごと」のデータが含まれているので、右上の「Breakdown」から「Country」を選択するとこのように「国ごとのOrder volumeの積み上げ縦棒グラフ」に変化します。
もちろん国単位のグラフを出すことも可能です。
グラフ画面の右上の「About」をクリックすると、現状のグラフがどのようなSQLクエリでデータが処理されているかがわかるようになっています。
SQLクエリを気にしないでもクリックするだけでグラフに各種データが反映されていくはとてもわかりやすいですね。
SQLクエリの勉強にもよいと思います。
Steepでできることはこれだけではありませんが、まず最初に触ってみた操作性などをまとめてみました。
新規のデータに接続して利用する際には事前にMetricsを定義する必要があるので、それは別の記事で紹介します。
最後にSteepの費用について。
Steepの費用
無料/有料のプランが用意されています。
無料プラン
- 3ユーザー
- 3レポート(シェアできる)/自分だけで利用するレポートは無制限
- セマンティックレイヤーと無制限のメトリクス
- デスクトップとモバイルのアプリ(アカウントで連携する)
有料プラン(ビジネスプラン)
- 月額12ポンド(年契約)/月額14ポンド(月契約)
- ユーザー無制限
- レポート無制限(シャアできる)
- 優先サポート
操作は簡単ですが、やはりデータの形式についての知識は必要だと感じました。今後、機能は追加されていくはずなので随時チェックしたいと思います。
BIツールの選択肢が増えてきていいですね!
以上、Steep(BIツール)の導入から簡単な使いかたの解説でした。